2024.05.31
薬剤師の知識
コミュニケーションが苦手な薬剤師必見!患者さまと良い関係を築こう
目次
こんにちは!なの花薬局の森田です。
意外に思われるかもしれませんが、薬剤師にはコミュニケーション力が不可欠です。
とはいえ、中には「コミュニケーションが苦手...」という方もいるでしょう。
そこで今回のコラムでは、薬剤師がコミュニケーションを上手にとるコツをご紹介!
薬剤師に必要な具体的なコミュニケーションスキルや、コミュニケーション力を上げるポイントなどもあわせてお伝えします。
コミュニケーションが苦手!薬剤師にコミュニケーション力は必要?
薬剤師の仕事をスムーズに、そして正確に進めるためには、コミュニケーション力は必要不可欠です!
薬剤師の大切な仕事の中に、患者さまの服薬指導や服薬管理、健康相談などがあります。
これらは薬剤師が患者さまとコミュニケーションをとりながら、症状や現在の状況、お困りごとなどを把握しながら行なっていく必要があります。
調剤時の服薬指導が必須なのはもちろん、2020年の薬機法改正により、調剤後の服薬指導、継続的な服薬状況等の把握も義務化されました。
2016年には「かかりつけ薬剤師制度」が始まり、服薬指導や地域医療の一員としての役割も期待されています。
薬剤師が患者さまとコミュニケーションをとる機会はますます増え、その重要性も高まっていくでしょう。
また、効率的で正確な業務進行のためには、同僚の薬剤師、他職種の医療関係者とのコミュニケーションも重要です。
ミスの許されない仕事だからこそ、報告・連絡・相談による情報共有や連携は欠かせません。
さらに医師へ患者さまの服薬状況等の情報共有をしたり、処方された薬に疑問点などがあるときは処方した医師宛に「疑義照会」をすることもあります。
スムーズに疑義照会を行うには、言葉遣いや伝え方にも配慮しつつ、普段から医師と信頼関係を築いておくなど、コミュニケーションが大切になります。
薬剤師に必要なコミュニケーションスキル
薬剤師に必要なコミュニケーションスキルには、具体的にはこんなものがあります。
- 傾聴力:相手の話をしっかり聞く力。相手の気持ちを引き出す
- 共感力:相手の気持ちに寄り添う力。安心感や信頼感を与える
- 雑談力:雑談で相手の気持ちを和ませ、心理的な距離を縮める
- 提案力:知識や経験をベースに、相手の困りごとの解決方法を伝える
- 対応力:相手の状況に合わせて臨機応変な対応をする力
こちらのコラムでも薬剤師に必要なスキルや求められている役割などを解説していますよ。
あわせてぜひご覧くださいね。
薬剤師はどんな人が向いている?性格や特徴、必要とされる能力も
薬剤師の業務はAI活用でどう変わる?未来の医療を考えよう
患者さまと上手くコミュニケーションを取るコツ
薬剤師のコミュニケーションの中でも、患者さまとのコミュニケーションをスムーズに進めるコツをご紹介します。
専門用語を使わず、わかりやすい言葉で話す
医療現場では難しい専門用語がたくさん使われていますが、患者さまへの説明ではできるだけ簡単な、一般的な言葉に置き換えて伝えるようにしましょう。
薬剤師が患者さまと話をする目的は、きちんと理解してもらうことです。
難しい言葉で説明してしまうと薬剤師との会話に苦手意識を感じてしまい、お互いに必要な情報を聞き逃してしまうおそれもあります。
患者さま目線に立って言葉を選ぶことによって、安心して話を聞いてくれるようになりますので、分かりやすい言葉を使うように意識しましょう。
患者さまの話を否定せずに聞く
患者さまに医薬品を安心して正しく服用いただくために、患者さまの不安や悩みを受け止めて理解をすることが必要です。
患者さまの話に対して「それは違うのでは?」「どういうことか質問して確認したい」と思っても、まずは患者さまの話を受け止め、相づちを打ちながらしっかり聞きましょう。
患者さまに「自分の話をしっかり聞いてもらえた」「この人はちゃんと話を聞いてもらえる」と感じてもらえれば、薬剤師に心を開いてもらいやすくなります。
信頼を得ることで、さらに深いコミュニケーションがとれるようになりますよ。
質問は具体的にする
患者さまの状況確認などで質問をするときは、「どうですか?」「何か気になることはありませんか?」といった質問ではなく、「この薬を飲んで眠くなったことはありますか?」など具体的な質問から始めましょう。
このようにイエス・ノーで答えられる質問形式は「クローズド・クエスチョン」といい、回答者も事実を簡潔に伝えやすいのが特徴です。
必要に応じて追加の質問をしたり、患者さまの言葉を追加したりして情報を引き出していきましょう。
「患者さまの役に立ちたい」「困りごとを解決したい」という気持ちを持ち、丁寧な対応を心がけていきましょう。
コミュニケーションが苦手な薬剤師がスキルアップする方法
「コミュニケーションが苦手で、上手に話ができるか自信がない...」という方は、まずは「聞き上手」を目指しましょう!
コミュニケーションは質疑応答ではありませんから、こちらが一方的に話したり、質問したりするのは円滑なコミュニケーションとはいえません。
まずは患者さまとの信頼関係を築くためにも、「あなたのことを知らないので知りたい。教えてほしい」というスタンスで話を聞きましょう。
相手の目を見て話を聞く、質問などで遮らずに相づちを打ちながら聞くほか、相手の言葉を復唱しながら聞くのも「私は聞いているよ、共感しているよ」というサインになります。
患者さまの安心感と信頼感を得ることで、円滑なコミュニケーションがとれるようになります。
また、相づちや声かけの際の声のトーン、表情、しぐさなども意識してみましょう。
相手の表情やしぐさを真似る「ミラーリング」というコミュニケーション手法もあります。
これは、人間は自分に似た表情やしぐさをする相手に好感を抱くという心理傾向を利用したものです。
相手の声のトーンや表情に合わせながら共感すると、さらに相手に寄り添った受け答えがしやすくなります。
ぜひ試してみてくださいね。
ただし、復唱やミラーリングはわざとらしくなりすぎないようにも注意してください。
薬剤師のコミュニケーションスキルを磨いて苦手意識を克服しよう
薬剤師の仕事にはコミュニケーションスキルが不可欠です。
患者さまの服薬指導や服薬管理、健康相談などは、患者さまとのコミュニケーションを通して進めていかなくてはいけません。
また、仕事を効率的・正確に進めるためにも、職場の同僚やほかの医療職とのコミュニケーションも重要です。
患者さまとコミュニケーションを上手にとるには、わかりやすい言葉での説明や、相手の話を否定せずに聞くこと、答えやすい質問で情報を引き出していくことが大切です。
「患者さまの役に立ちたい」「困りごとを解決したい」という気持ちで丁寧に対応し、患者さまとの信頼関係を築いていきましょう。
なの花薬局では、同期をはじめ先輩後輩とコミュニケーションがとれる内容はもちろん、多職種連携においての研修も開催しています。
また、患者さまとより良いコミュニケーションが取れるように、患者さまの問題を解決しようとする際の思考過程やその内容を倫理的に整理をしてコミュニケーションが取れるようになる"臨床推論"も基礎から学ぶことができますよ!
コミュニケーションに苦手意識がある方・ない方もスキルを磨いていくことができます♪
なの花薬局では、薬剤師の就活に役立つ情報を随時発信しています。
薬剤師を目指す方や薬剤師の働き方について疑問がある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!