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2024.07.31

薬剤師の知識

専門医療機関連携薬局とは?認定要件や地域連携薬局との違いも解説

目次

こんにちは!なの花薬局の森田です。

新薬の開発や高齢化の進行、在宅医療の需要増などから、今後ますます存在感が高まる薬剤師。
そんな背景の中、薬機法改正により2021年から「専門医療機関連携薬局」制度がスタートしました。

今回のコラムでは、この「専門医療機関連携薬局」について解説。
専門医療機関連携薬局とはどんな薬局なのか、認定要件はどのようなものかといった概要をお伝えします。

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専門医療機関連携薬局とは?

専門医療機関連携薬局とは、専門的な薬学管理が必要な患者さまに対して、ほかの医療提供施設と連携をとりながら対応できる薬局のことです。
例えば、患者さまが通う病院や自宅近くの薬局などと連携をとり、より高度な薬学管理や専門性の高い調剤などを行います。

「専門医療機関連携薬局」制度は、2019年の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」 改正により、2021年からスタートしました。

専門医療機関連携薬局の制度がスタートした背景は、高齢化や医療の高度化により、薬剤師にも、より専門的で高度な対応が求められていることにあります。

  • 新薬の開発が進み、多剤投与による薬剤管理の複雑化や副作用の懸念がある
  • 外来による抗がん剤治療が増えている
  • 高齢化により在宅医療の需要が増えている

こういった背景から、薬剤師にはより高度で専門的な薬剤管理や服薬管理、服薬指導などの対応が求められ、地域医療の一員として専門性を発揮することを期待されています。

専門医療機関連携薬局と地域連携薬局との違いは?

「地域連携薬局」は、専門医療機関連携薬局と同様に2021年からスタートした制度。
こちらは、患者さまの入退院時や在宅医療で、ほかの医療施設と連携して対応できる薬局です。
ほかの医療機関と情報共有などの連携を取りながら、地域包括ケアとして継続的、一元的に薬剤管理や服薬管理を行うことが期待されています。

一方、専門医療機関連携薬局は、ほかの医療機関と連携するという点では同じですが、それに加え、専門性が求められる調剤や高度な薬学管理への対応が求められる部分で違いがあります。

地域連携薬局については下記コラムでさらに詳しくご紹介していますので、こちらもぜひあわせてご覧ください。
地域連携薬局とは?認定要件や求められる役割もご紹介


専門医療機関連携薬局の認定要件

専門医療機関連携薬局になるには、一定の要件を満たした薬局が各都道府県知事から認定される必要があります。

主な認定要件には以下のようなものがあります。

傷病区分

2024年7月現在では、「がん」治療に対する高い専門性を持つ薬局が対象となっています。

構造設備

患者さまが座って服薬指導を受けられる個室などプライバシーに配慮した設備があることが条件です。

また、手すりやスロープを設置するなど、高齢の方や障がいがある方でも円滑に利用できるバリアフリーの環境を整えていることが必要です。

情報共有体制

関係医療提供施設や関わる医療関係者と、随時、連絡や報告、相談ができる体制が必須です。
関係医療提供施設との定期的な会議への参加や、患者さまの薬剤管理や使用状況について報告、連絡を行なった一定程度の実績なども要件とされています。

調剤や服薬指導の業務体制

地域のほかの医療提供施設と連携しながら専門的な調剤や服薬指導ができる体制の整備が必要です。
休日や夜間の調剤対応や時間外の電話相談の体制を整えるほか、地域のほかの薬局への医薬品提供体制の整備や情報提供実績、継続勤務の常勤薬剤師・疾病の区分(現在はがん)に対する高い専門性を持つ常勤薬剤師の配置、専門的な研修の定期的な実施などが求められます。

申請手続き

専門医療機関連携薬局の認定を受けるには、必要書類を揃えて各都道府県知事へ申請をします。

【必要書類】

  • 認定申請書
  • 認定基準に適合しているとわかる各種添付書類
  • 添付書類確認表およびチェックリスト
  • 医師の診断書※
    ※申請者が精神機能障害により業務を適正に行うことができないおそれがある場合

認定は1年ごとの更新制で、申請・更新には11,000円~(自治体によって異なる)の手数料がかかります。


専門医療機関連携薬局と高度薬学管理機能の関係性

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高度薬学管理機能とは、専門医療機関連携薬局やかかりつけ薬局に求められる役割の一つで、専門機関と連携しながら、抗がん剤の副作用などへの対応や抗HIV薬・抗HIV 療法の適切な選択の支援といった高度な薬学管理を行う機能です。

専門医療機関連携薬局では、専門薬剤師の認定等を受け高度な知識、技術、経験を有する薬剤師の配置や、医療機関との情報共有体制の構築、定期的な勉強会の開催などが必要です。

これまでは、薬局や薬剤師の仕事は調剤業務がメインでした。
しかし、現在は高齢化による在宅医療の需要増や新薬・後発医薬品の開発増などにより、服薬管理や服薬指導、フォローなどの対人業務の重要性も増し、業務範囲は広がっています。

なの花薬局の専門医療機関連携薬局では「心身の状況に配慮した店舗設備」「他の医療提供施設と連携する体制」「専門性の高い薬剤師が調剤及び指導を行い、いつでも相談できる体制」を整え、患者さまが安心してご利用いただけるようサポートしています。

薬局や薬剤師の現状や資格の種類などについて、下記コラムでも詳しくご紹介していますのでぜひご覧ください。
薬局業界の現状や今後の動向について知ろう!
薬剤師の資格にはどんな種類がある?資格取得のメリットもご紹介!


専門医療機関連携薬局とは他医療施設と連携し専門的な薬学管理を行う薬局

専門医療機関連携薬局とは、ほかの医療提供施設と連携しながら、専門的で高度な薬学管理を行う薬局です。
高齢化による在宅医療や投薬の増加、がん治療など医療の高度化を背景に、地域医療の一員として関係施設と連携しながら、より高度で専門的な薬剤管理や服薬管理、服薬指導などの対応を行うことが期待されています。

一定の認定要件を満たし都道府県知事に認定されることで専門医療機関連携薬局となり、認定は1年ごとの更新制です。

認定要件には、がん治療に対する専門性を有していること、プライバシーなどに配慮した設備があること、地域のほかの医療提供施設と提携・情報共有しながら対応できる業務体制の構築などがあります。
また、ほかの医療機関への専門的な情報提供や研修など、情報発信や指導などの役割も求められています。


なの花薬局では、薬剤師の就活に役立つ情報を随時発信しています。
薬剤師を目指す方や薬剤師の働き方について疑問がある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!

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