2022.02.01
健康コラム
食物アレルギーの子を預けるときの注意点
2月の節分の行事の一つに「豆まき」があります。私の住んでいる北海道では、豆まきと言えば落花生を使うことが多く、学校でも落花生をまいたことを記憶しています。しかし、現在では落花生や大豆でアレルギー反応を起こ
すお子さんに配慮して、保育現場や学校では、落花生や大豆を使用しない傾向にあるようです。
食物アレルギーが重度の場合、アレルゲンを食べることで発症する以外にも、触れることや、食材から出る粉や蒸気を吸い込むことで発症することもあります。また、症状が強い場合はアナフィラキシーショックといって、命に危険のある状態に陥るため注意が必要です。特に小さな子どもは自分で食べられないものが判断できないため、まわりの大人がしっかりと確認しておき、事故を未然に防ぐようにしたいですね。
今回は、食物アレルギーのお子さんを預ける際に気をつけたいことをお伝えします。
集団生活をするとき
保育園や幼稚園に入園、学校に入学の予定がある場合は、以下のことを確認しておくと安心です。
・アレルギーの子も対応が可能か
・アレルギー物質を除去した給食やおやつを用意してもらえるか(心配な場合持参も可能か)
・給食やおやつを食べる時の環境について(隣の席の牛乳が飛ばないか、色付き食器、誤食の危険がないかなど)
・年間の行事や日常の活動(節分の豆まき、クッキング、小麦粘土の使用、牛乳パックの工作など)
親戚の家や個人宅に遊びに行く・預けるとき
預け先で「アレルゲンを口にしてしまった」とならないよう、以下のことに気をつけましょう。
・アレルギーに対する理解をしてもらう(好き嫌いとは違う、少量でも食べられない、食べたらどのような症状が出るかなど)
・アレルギーのある食品を手の届くところに置かない(誤食、接触を防ぐ)
・誤食してしまった場合の服薬や対応を決めておく
・心配がある、重度の場合は食べられるものを持参する
・アレルゲンである食品が一目でわかるような一覧表を渡す(下記の表を参照)
食べられる・食べられない食品(例)に記載してある食品は例として挙げたものです。食べられない食品はそれぞれ違いますので、食物アレルギーの専門医がいる医療機関で確認するようにしましょう。
また、成長とともに食べられる食品が増えてくることも多いので、半年ごとを目安に見直しましょう。
事前に準備をしておくことで、急に預けることになったときも慌てず対応できそうですね。
大切なのは、預ける側も預かる側も共通の認識を持ち、お子さんが安心して過ごせる環境づくりをすることです。
食物アレルギーは正しい知識があれば未然に防ぐことができますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
からだPlus「食物アレルギーの食事」もあわせてご覧ください
株式会社 メディカルシステムネットワーク 拔山 有貴子(管理栄養士)
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