2023.08.01
健康コラム
8月 健康コラム 「貧血予防の食事について」
毎日暑い日が続いていますね。
食欲が落ちたり体調を崩したりしていないでしょうか。
身体がだるい、疲れやすい、めまいがするなどの不調は、実は夏バテではなく貧血が原因かもしれません。
「貧血」とは酸素を運ぶ赤血球やヘモグロビンが減少することで、酸素の運搬能力が低下して、身体のあらゆる部分が酸素不足になっている状態です。
貧血にはいくつか種類がありますが、多くの場合は体内で鉄が不足することが原因の「鉄欠乏性貧血」です。
「貧血=立ちくらみ」というイメージを持つ方が多いかもしれませんが、それ以外にも色々な症状があります。当てはまる項目がないか、チェックしてみましょう。
鉄欠乏・鉄欠乏性貧血になりやすい人は、閉経していない女性、妊娠・授乳中、成長期、激しいスポーツをする人、ダイエットや欠食などで食事量が少ない人、偏食がある人などが挙げられます。
鉄欠乏性貧血と診断された場合は薬での治療となりますが、貧血の再燃防止や予防には、食事を意識することが大切です。
【1日3食バランス良く食べましょう】
血液を作るためには鉄だけでなく様々な栄養素が必要となりますが、ひとつの食材でそのすべてをとることは難しいため、色々な食品を組み合わせることが大切になります。
ご飯やパン、麺類などの主食は血液を作るエネルギー源となります。
肉や魚、卵、大豆製品などの主菜には、たんぱく質やビタミンB群、鉄を多く含むものがあります。
たんぱく質は血液の材料となり、ビタミンB群は血液を作る細胞を助ける働きがあります。
野菜やきのこ、海藻、こんにゃくなどの副菜では、ビタミンCや葉酸などをとることができます。
ビタミンCは鉄の吸収を助け、葉酸は赤血球の形成を助ける働きがあります。
出来るだけ1日3食、主食・主菜・副菜を揃えて食べるようにしましょう。
【鉄の多い食品をとりましょう】
バランスの良い食事は大事ですが、バランスだけを意識した食事では残念ながら鉄が不足しがちなため、鉄を多く含む食品も意識して取り入れることが大切です。
食品に含まれる鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があり、吸収率が良いのは動物性食品に含まれる「ヘム鉄」で、レバーや赤身の肉、青魚などに多く含まれています。コレステロールや脂肪が多く含まれる食品もあるため、とり過ぎには注意が必要な場合もあります。
「非ヘム鉄」は緑黄色野菜や大豆製品、卵黄、貝類などに多く含まれています。
鉄の多い食品は出来るだけ毎日、動物性と植物性を組み合わせて数品をとるように心がけましょう。
【鉄の吸収を良くしましょう】
非ヘム鉄の吸収はヘム鉄と比べると低いですが、ビタミンCや動物性のたんぱく質と一緒にとることで吸収が良くなります。ビタミンCは野菜やいも類、果物に多く含まれていますので、肉や魚などのメインの料理に生野菜サラダや野菜炒め、食後の果物などをプラスしてみましょう。
反対に、緑茶やコーヒーに含まれるタンニンや乳製品に含まれるカルシウムは鉄の吸収を悪くしてしまいますので、食事の時間とずらすことをおすすめします。
【レシピ紹介】
なの花薬局ホームページ「管理栄養士のレシピ」
・小松菜と高野豆腐の柳川風
https://www.nanohana-ph.jp/recipe/calcium/komatsuna-koyatofu-yanagawa.php
・厚揚げと野菜の塩こんぶ炒め
https://www.nanohana-ph.jp/recipe/protein/post-51.php
どちらも1品で鉄とビタミンCやたんぱく質がとれる料理です。
鉄分をしっかりとって、毎日を元気に過ごしましょう!
参考資料:日本鉄バイオサイエンス学会「鉄剤の適正使用による貧血治療指針 改訂[第3版]
株式会社なの花東日本 小林 瑞恵(管理栄養士)
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