2021.10.08
薬局トピックス
薬局認定制度とは 患者さまが薬局を選ぶ時代へ
現在、薬物療法の複雑化や高度化に伴い、薬局や薬剤師が地域包括ケアシステムを担う一員として専門性を発揮し、患者さまに安全かつ有効な薬物療法を切れ目なく提供することが求められています。
そうした中、患者さまがご自分に適した薬局を選定できるよう、特定の機能を有する薬局に対して都道府県知事が認定を与える「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局」という2つの新しい機能別薬局の認定制度が2021年8月からスタートしました。
■地域連携薬局
地域連携薬局とは、外来受診時だけではなく、在宅医療への対応や入退院時も含めて、地域の医療機関や他の薬局との一元的・継続的な情報連携に対応できる薬局であり、患者さまに対し質の高い薬学的管理を行うことができる薬局です。
<主な特徴>
① プライバシーに配慮した相談しやすい構造設備
② 地域の他の病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、調剤を実施する薬局その他の医療を提供する施設と情報を共有する体制
③ 地域の他の医療提供施設と連携しつつ利用者に安定的に薬剤等を提供する体制
④ 地域の他の医療提供施設に対する医薬品の適正使用に関する情報の提供実績
(厚生労働省資料より)
■専門医療機関連携薬局
専門医療機関連携薬局とは、がん等の専門的な薬学管理が必要な患者さまに対して、他の医療機関や薬局と密な連携を行い、より高度な薬学管理や、高い専門性が求められる特殊な調剤に対応できる薬局です。
<主な特徴>
① 傷病区分は「がん」とすること
② プライバシーに配慮した相談しやすい構造設備
③ 患者さまに専門的な薬学的知見に基づく指導を行うために、専門的な医療の提供等を行う地域の他の医療提供施設と情報を共有する体制
④ ①の傷病の区分に係る専門的な調剤や指導に関して、地域の他の医療提供施設との連携を行いつつ、適切に実施できる体制
⑤ 専門医療機関連携薬局の認定に係る申請書には、薬局の名称及び所在地、申請者の欠格事由の有無等を記載
⑥ 専門性の認定を受けた薬剤師であること
(厚生労働省資料より)
◆「健康サポート薬局」と「地域連携薬局」の違いは?
「健康サポート薬局」は2016年からスタートした認定薬局制度ですが、「地域連携薬局」との違いは、患者さまが置かれた状況にあります。
「地域連携薬局」は入退院時の医療機関への情報提供や、在宅医療に応じられる体制等、「患者さまが病気になった後」の役割に重点が置かれています。
一方、健康サポート薬局は地域住民の皆様の健康維持・増進に関する相談や、要指導医薬品を含む一般用医薬品(OTC薬)の取り扱い等「患者さまの未病・予防」の比重が大きく、患者さまが置かれた状況が両者の大きな違いになります。
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